慶応三村先生のご講演より。
患者さんにも役立つ知識としてメモしておきたい。
認知症(特にアルツハイマー型)と、
老年期うつ病はしばしば鑑別が必要だ。
いわゆる「pseudo dementia」(仮性認知症)
として知られている。
両者とも同じように「記憶力」が落ちる
わけだが、その鑑別の要点として
・認知症では記憶痕跡そのものが失われている。
・うつ病では記憶痕跡は残ってる。
それを取り出すことができない。
「思い出し方の忘却」とも言われる。
また、記憶力検査の質問に対しても
・認知症では、言い訳をしたり、
はぐらかしたりする。 自己予測>検査成績
・うつ病では、こんなこともできないと、嘆く。
検査成績>自己予測
そして、よく検査される視覚構成機能に関しては、
うつ病で障害されることはほとんどない。
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認知症の患者さんを診察しているときに
どこかボーッとしていたり、表情が乏しいと
感じることが多い。記憶力の低下だけではなく、
注意力(強度や選択性)の低下も顕著となる
ことを意識しておきたい。
また、ワーキングメモリー
(記憶を一時的に保持しておく能力)
について、「こころの黒板」という
例えがわかりやすかった。