「病後の生活史」を作る

先日、笠原先生のご講演を拝聴した。

その中で、”病後の生活史を作るお手伝いをする”

という言葉が非常に印象に残った。

 

私なりに解釈してみた。

 

病気を「治す」とはどういうことなのか。

 

もちろん、完全に症状が「無くなる」

ことが理想ではあるが。

 

現実では、患者さんがその症状を抱えながら

上手に生活して行かざるを得ないことも多い。

 

症状を「無くす」ことに医師も患者も一生懸命

になるあまり、”病後の生活史”に目を向ける

ことを忘れていないか。

 

病気を受け入れた上で、

これからの生活に目を向け、共に考え、

充実させていく。そうすることによって、

生活の中に占める「病気」の割合が少しずつ

小さくなり、「今」がだんだんと「病後」

になっていく。

 

そんな治療を意識することも大切なのかなと考えた。

 

九大病院、精神科医1年目の時、患者さんを「治そう」

とするあまり、「先生は万能感が強すぎる」

と指導されたことを思い出した。

 

 

 

 

 

2022年01月13日