F君の話

今ではすっかりと釣り人として世間に認知?

された私ですが、小学校〜大学、一部社会人までは

ずっとバスケットマンをしていました。

 

アメリカでバスケをはじめ、スラムダンク全盛期の

日本に帰国。それはそれは調子に乗っておりました。

 

しかし、その天狗の鼻も高校入学時にポッキリと

折られてしまいます。 各中学のキャプテンや

エース級がこぞって入部。バスケットマンとして

特に背が高いわけでも、ジャンプ力があるわけでも

なく、「その他大勢」の1人に過ぎなかったため、

監督の目にも止まらず、全く相手にされない状況が

続いていました。

 

そんな私は毎日のように同級生や先輩に

「どうやったら上手くなれるか?」ということを

聞いて回っていました。親身になって答えてくれる

人も多かったと思いますが、何か「裏技」的なもの

を求めていた私にはどんな親切な助言もピンと来ず、

「やめてしまおうか」などと考えながらも意味の

ないダブルクラッチなんぞを毎日練習していました。

 

そんなある日、普段から無口であまり話したこと

のないF君に何気なく、いつものように愚痴り

ながら例の質問をしてみました。その時のF君から

言われた言葉(声のトーンや表情含め)程、

若かりし調子に乗ったバスケットマンに響いた

言葉はなかったように思います。

 

そのF君に言われた言葉とは、ただ一つ

「練習」😑でした。←ほんとこんな顔で

 

その言葉を聞いた時、ドキッ😳としました。

本質を、痛いところを、核心をつかれたように

感じました。

 

裏技なんかない。コツコツと、黙々と、地道に

やるべきことを日々やっていく。その上に成長、

成功がある。そんな当たり前のことに気づけて

いなかった。いや、気づいていても、安易な

近道を探していたのかもしれません。その日から

少しずつではありますが、日々の私の練習に

取り組む姿勢は変わっていきました。そして、

その3年間努力を出来たという自信は、後の

医学部再受験やマラソンなどにも

活かされていたように思います。

 

さて、前置きが非常に長くなりましたが、

私が何を言いたかったかというと。

 

人の「気分」も似たようなところがあるな、と

感じています。

 

気分を改善させる裏技なんてものはほとんどなく、

規則正しい生活、適度な運動、適度な休息、

アルコールを飲み過ぎない、etc. などの日々の

地道な「当たり前」の積み重ねの上に「気分の安定」

はあるのだと思います。

 

実際患者さんも気分を変えるために、考え方を

変えるために、何か「いい方法」や「コツ」は

ないか、と心療内科を受診されるケースも

多いかと思います。

 

ただ、多くのケースでそのような「コツ」はなく、

生活の状況を確認し、ネットでも得られるような

当たり前の日々の助言や、休息、時には服薬を

勧められることがほとんどだと思います。

 

でもその「当たり前」の積み重ねが何よりも

大切で、その積み重ねの上に気分の改善、そして

「良い気分」の上に「前向きな思考」

と良い循環が続いていくのだろうな…と

年末年始にこんなことを考えていました。

 

あけましておめでとうございます🎍

今年もよろしくお願いします🤲

 

注:その「当たり前」をすること自体が

既に苦痛である場合は無理をせず適切な

「治療」を受けてください。

 

2022年01月04日