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精神性の高さとウェルビーイングについて

申し合わせた訳でもないのに、いつの時代、どこの文化においても必ず宗教は存在する。

不思議だと思いませんか?

 

そしてその宗教を巡って対立、争い、時には殺し合いが起こることも少なくない。

実際に人類史における多くの戦争は宗教を巡ってのものであったことは事実です。

そうまでしてでもスピリチュアルなものを守らなければならない何かしら理由があったのでしょうか。

 

最近、ストレングスの一つとして信仰心、信念を持つことの大切さが見直されていると言います。

自身が自身よりも大きな何かとともにあるということがウェルビーイングにとって大切だと言うのです。

実際に精神性の高さが精神疾患やアルコール乱用の少なさ、安定した人間関係につながっているという

エビデンスも示されています(Myers 2000)

 

「昨日ちゃんとお参りしておいたから大丈夫」「このお守りがあるから悪いことが起こるはずがない」

そのように自分を安心させて、困難に立ち向かう時も確かに多いですよね。

 

神や仏だなんて、もちろんそこまで大それた存在では私はないですが、精神科医療も時として

同様の役割があると考えています。

「先生が大丈夫って言ったから頑張れた」「話を聞いてもらうだけで安心する」

そう笑顔で話していただけた時は治療者としてこの上ない喜びを感じます。

 

信仰心が昔より乏しくなっていると言われる現代において、何か信じられる、心の支えとなるものが必要とされている

のかもしれませんね。

 

そういう私はクリスマスも、お盆も、イースターも、ハロウィンも、バレンタインも、初詣も、、、、

何でも取り合えずは享受する、典型的な現代人です。

 

 

 

2019年12月04日
変わるために何か違うことをする

精神科心療内科の治療では、患者さんが麻酔で寝ている間に悪いところを切り取ってさしあげることは残念ながらできません。

また、良くあるテレビで心理家が魔法の一言で芸能人のトラウマを払拭させ、涙を流して感謝される、、ハッピーエンド、なんて事も滅多にありません。

 

診察の中で変わるためのヒントや勇気を得ていただいて、でも結局は変わるための考え方や行動を実際にとっていただくことは患者さんにお任せするしかありません。

次回の診察までに何か一つでも前向きに変わることができますよーに、、と、毎回祈るような気持ちで送り出しています。

数十年間の間に身についた性格、考え、行動のパターンを変えることはそう簡単なことではありません。

苦しみも伴いますし、「出来ないじゃないか!」と治療を諦めてしまうこともあるかもしれません。

 

でも行き詰まった時に

いつもしていることをいつも通りにしていれば

いつも通りのものしか得られません。

 

 

「狂気、それは、同じ事を繰り返し行い、違う結果を予期することである」  Albert Einstain

 

変わるために何か違うことをしてみましょう。

何か違うことをしてみましょう、変わるために。

 

2019年12月04日